中小企業診断士2次試験は誰にでも書けるようになる 私の解答プロセス
今回は、中小企業診断士2次試験における私の解答プロセスをご紹介します。
コツさえつかめば、中小企業診断士2次試験は怖くありません。
さて、いきなりですが、解答プロセスが確立していると合格に近づきます。
その理由は以下の通りです。
・解答作成のスピード改善
寄り道が少なくなり、80分以内で解答が作成できます。
・解答の品質改善
満足できる品質の解答が安定して作成できます。
(何も書けないとか大外しがなくなります)
ここでいう解答プロセスは、事例1~3に適用できるノウハウと認識してください。
■解答プロセス
解答プロセスは大きく分けて以下のような流れになります。
①解答に求められている要件を確認する
②与件文のキーワードを確認する
③各設問へのキーワード割振り
➃解答の構成を考える
⑤具体的な解答を作成する
それでは、各解答プロセスを説明します。
①解答に求められている要件を確認する
これが間違っていると致命的です。問われていることの理解が最も得点につながるといっても言い過ぎではありません。
基本的には、設問分を読んで、
強み・弱みなのか、
課題や問題なのか、
原因や対応策なのか
を確認します。
特に「前提条件」を正確に理解することは重要です。
主な前提条件は以下の通りです。
・「時間軸はどこにあるのか」
・「誰の視点なのか」
・「何の戦略についてか」
以上の内容を理解したうえで、②に進みます。
≪+αのアドバイス≫
私は、「強みは何?」と問われれば、解答は「強みは①~~、②~~である」と記載していました。
よく言われている手法ではありますが、ほんとに解答のずれが少なくなるのでお勧めです。
ただし、「○○を前提とした△△戦略は何?」と問われた場合、冗長的にならないように「戦略は~~で・・・」と短く書き出すようにしていました。
後述の➃に関連する部分ですので、詳細は➃をご確認ください。
②与件文のキーワードを確認する
与件文を読み、キーワードを拾っていきます。
解答のInputになる情報になるため、解答の品質に影響する部分です。
1つ注意しておきたい点としては、設問の要件にとらわれずに、ポイントとなるキーワードを拾っていくことです。
設問の要件にとらわれすぎると後続の作業で袋小路に入る可能性があります、
私の場合は、ポジティブな内容とネガティブな内容に分けて、キーワードを拾いました。
あまり細かく分類(SWOTとか5Fとか)するのも面倒だったので、+か!!-か!!とざっくり分けていました。
端的に説明すると、「過去の事実」と「今後の展望」におけるポジティブな内容とネガティブな内容です。
一例ではありますが、意識して拾うキーワードは以下の通りです。
・事例1
ポジティブな内容:
企業文化
熟練スタッフ
ネガティブな内容:
組織における機能の重複や肥大化
コンフリクトのため、組織改革が必要
高齢化により技術伝承が必要
・事例2
ポジティブな内容:
ブランド
特許
情報(ノウハウ)
協業できる地場の産業
ネガティブな内容:
海外メーカーなどの競合
人口や市場の変化(ポジティブな場合もあり)
・事例3
ポジティブな内容:
一貫生産体制
国内外から評価される高い技術力
ニーズをとらえる営業力
ネガティブな内容:
生産計画が固定
在庫多い
作業者によって作業内容が異なる
歩留り悪い
レイアウト無駄多い
キーワードを嗅ぎ分けるには、少し慣れが必要です。
以下の参考書に着目するキーワードが記載されております。おすすめです。
2017年版 中小企業診断士試験2次試験合格者の頭の中にあった全知識
③各設問へのキーワード割振り
全体の整合性を整えるため、②で抽出したキーワードを設問に割振ります。
つまり、各設問における解答のポイントを決定します。
最初に全体的にバランスをとることで、キーワードの不必要な重複や漏れを排除することができます。
設問の要件が、「強み」であれば、②のポジティブな内容を割振ります。
慣れてくると、
設問1で「強み」を書いて、
設問2で「課題」を書いて、
最後の設問で、「強み」を考慮した「今後の展望」への対策を書いて・・・
と設問をストーリーのように捉えることができます。
≪+αのアドバイス≫
与件文のキーワードだけでは、対応策やそれによる効果に関する記述が不足している可能性が大です。
以下のふぞろいシリーズや各予備校が発表している過去問の解答例を確認して、この課題にはこの対応策と効果というようにセットにして覚えるとよいです。
2017年版 中小企業診断士二次試験 ふぞろいな合格答案 エピソード10
一例ですが、私が各事例で書いていた効果を紹介します。
・事例1
対応策:
採用
配置
報酬
育成
評価
リーダーシップ
情報共有(トップダウン)
効果 :
意欲向上
モラル向上
組織活性化
・事例2
対応策:
オフライン施策(イベント、チラシ、DM、口コミ、紹介制度)
効果 :
売上向上
顧客との関係性向上
固定客化
ブランド力向上
・事例3
対応策:
ラインバランシング
段取り時間短縮(外段取り化)
作業標準化
マニュアル化
予知保全
ロットサイズ見直し
効果 :
納期短縮
品質向上
コスト削減
提案力向上
ノウハウの蓄積から新規開発
➃解答の構成を考える
キーワードや対応策、効果をつなげて、解答の構成を考えていきます。
設問で解答の構成が決まりますので、①でおおよその構成を考えるのも一つの手です。
解答の構成は、大きく分けると以下の2通りに分類されます。
A.箇条書きイメージ(強みや問題などの事実を解答してほしい場合)
B.対象となる問題とその対応策、効果を記述するストーリーイメージ(中小企業診断士として提案する場合)
具体的には、以下のようなイメージです。
A.箇条書きイメージ
△△は、①○○による○○、②○○を起因とした○○である。
B.ストーリーイメージ
○○を改善するため、~~をする。
~~することで、○○を改善し、~~を図る。
△△を目指すため、○○に取り組み、~~を実現する。
○○(誰々)に対して、○○(何々)を、○○(どのように)する。
↑最後の構成は事例2の頻出パターンです。
※△は設問、○は与件、~~は知識を埋め込むイメージ
≪+αのアドバイス≫
事象だけ書くのではなく、その事象が発生する原因・理由を記載することで、高得点が狙えます。
例えば、事象:「在庫増加」だけではなく、原因を付加して「需要の変動による無駄な在庫増加」などにします。
原因・理由を丁寧に記述していくことで、解答の説得力が増し、高得点を獲得できます。
⑤具体的な解答を作成する
ここまで来たら、「てにをは」を意識して解答を作成するだけです。
簡潔な表現を心がけ、採点者に正確に伝わる解答を書きましょう。
≪+αのアドバイス≫
字の綺麗さについて言わせてください。
字は汚くても全く問題ありません。
私は、超がつくほど、字が汚いです。
綺麗な字を書ければ、それに越したことはありませんが、神経質にならずに、自分なりに丁寧に書けば十分です。
以上で、私の解答プロセスのご紹介を終わります。
次回は、各事例のよくある設問パターンに対して、今回紹介した解答プロセスを活用した具体的な解答作成方法をご紹介していきます。
長文でしたが、お読みいただきありがとうございました。