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中小企業診断士口述試験 実際の口述試験内容 平成29年(2017年)

私が実際に受験した口述試験の内容をまとめます。

口述試験を受けるまでの流れについて、気になる方は少ないと思いますので、主に口述試験の内容についてまとめたいと思います。

ちなみに受験会場は東京です。

 

口述試験の結果

 合格 

 

口述試験の形式

 ・試験官2名:受験生1名

 ・3mぐらい離れて、机に座ります。

 ・各々の試験官から2~3つの質問を受けます。

口述試験の座り方イメージ-

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■質問内容

 手っ取り早く質問内容だけ知りたい方もいらっしゃると思いますので質問内容だけまとめておきます。(具体的な試験の流れは、後述の「口述試験の詳細」をご覧ください。)

 【事例2】

  • 子育て世代の来店頻度を高くするために必要な商品(女性視点と子供視点)
  • シルバー世代への売り込み方法

 【事例4】

  • 子会社化する一般的なメリット
  • 総利益率が業界平均より低い理由と営業利益率が業界平均より高い理由
  • 新規事業への留意点(1分の時間制限付き)

  

口述試験の詳細

 

【登場人物】

試験官A(30歳代後半、終始無表情)・試験官B(50歳代、にこやかな感じ)、受験生

 

 

試験官A

「どうぞ、お座りください。」

 

受験生、席に座る

 

試験官A

「それでは最初に氏名、生年月日を和暦でお願いします。」

 

受験生

「氏名は○○、生年月日は昭和○○年○月○日です。」

 

試験官A、何かの一覧表に押印する

 

試験官A

「これから筆記試験の事例企業について質問をします。あなたは中小企業診断士として、質問に回答してください。」

 

受験生

「はい。」

 

試験官A

「事例2のB社について、質問します。」

「B社は、子育て世代の来店頻度を高めたいと考えております。子育て世代の来店頻度を高めるために必要な具体的な商品お答えください。」

 

受験生

「来店頻度を高めるためには、消耗品など、利用頻度の高い商品を取りそろえ、来店機会を増やす必要があると考えております。例えば、紙おむつ、ローションなどの消耗品を用意することが効果的かと考えております。」

 

試験官A

「具体的な商品は・・・あぁ、紙おむつとローションですね。」

「紙おむつ、ローションは、子供向けの商品ですが、女性向けでは何かありますか。」

 

受験生

「子育て世代の女性は、時間がない方が多いと思いますので、B社における実現性はおいておきますが、レトルト食品や冷凍食品など、家事を補助する商品が好まれると思っております。」

 

試験官A

「では、シルバー世代の増加に対応するため、シルバー世代への売り込み方法について、提案してください。」

 

受験生

「シルバー世代は、買い物する機会も減り、行動範囲も狭まると認識しております。そのため、訪問販売などこちらから能動的に働きかける方法が効果的かと思っております。」

 

試験官A

「訪問販売以外になにかありますか。」

 

受験生

「訪問販売以外ですと、シルバー世代向けには、電話注文やFAX注文を受けるもの効果的かと思っております。定型のフォーマットをつくり、来店時などにお渡しすれば、注文しやすくなると思っております。」

 

試験官B

「それでは、事例4のD社、染色加工業を営んでいる会社について質問します。」 「D社は大手企業との取引に依存しており、財務諸表を見ますと、業界平均と比較し、売上総利益率が低く、一方、売上高営業利益率が高くなっています。売上総利益率が低く、売上高営業利益率が高くなる理由をお聞かせください。」

受験生

売上高営業利益率が高くなる理由は・・・先ほど、ご質問の冒頭でお話しいただいたようにD社は大手企業との取引に依存しております。依存というとネガティブな表現に受け取られますが、その分、継続的な受注をいただけるということになると認識しております。そのため、営業にかかる費用などが削減され、営業利益率が高くなると考えております。」

 

試験官B

売上総利益率が低くなる理由はどのようなことが考えられますか。」

 

受験生

売上総利益率が低くなる理由は・・・大きな要因として、原材料が高いことにあると思います。購買力が原因かと思いますが・・・原材料が大きな割合を占めることになるため、売上総利益率が低くなると思います。」

 

試験官B

「D-a社を子会社化するメリット、一般的なものでかまいませんので、教えてください。」

 

受験生

「メリットは大きく2つあります。」

「1つ目は、子会社に影響を及ぼせること、

(試験官Aが首をかしげる、試験官Bが下を向く)

(私が焦って、回答を付け足す)

株式を50%以上保持しておりますので、経営方針の統制、経営的な支援などやりやすいと思います。」

「2つ目は、財務上、親会社と別管理になりますので、経営状況が把握しやすくなります。」

 

試験官B

「この質問は、D社の社長に対して、話すつもりで1分以内に回答してください。」

「D社が新規事業を開始するうえで、留意する点について、重要な1点をお答えください。」

 

受験生

「新規事業を開始するうえで、留意する点は【既存事業との関連性】です。既存事業との関連性が低ければ、片方の事業がつぶれた際に、片方の事業への影響は比較的少ないため、事業全体の安定性は向上します。しかし、既存事業との関連性が低いと既存の設備、技術、人材のノウハウが活用できず、事業の難易度や失敗のリスクが高くなると認識しております。既存事業から活用できる点を見つけ出すこと、それが難しい場合は、新規事業開始にかかる費用を抑え、小さく開始することも検討する必要があると思います。」

 

試験官A

「それでは、口述試験は終了です。」

 

受験生

「ありがとうございました。」

 

■総括

重ねて質問されると「回答が足りなかったかな?」と思ってしまい、終始焦っていました。

※文章にすると普通ですが、実際は言葉に詰まり、言い直しも多いです。

 

良かった点は以下の通りです。

・(事前準備ですが)各事例の与件文を事前に復習していたこと

・しっかり相手の目を見て話ができたこと

・「わかりません」や沈黙などのゼロ回答がなかったこと

 

反省点としては、以下の通りです。

・各質問に提案を盛り込めなかったこと

・子会社化のメリットについて、大きく外したこと

子会社化のメリットについて回答しているとき、試験官Aは、大きく首をかしげており、また、それまで私の回答にうなずいてくれていた試験官Bは下を向いていました・・・

あーやってしまったと思いましたが、訂正できませんでした。

試験官の反応を見て、自身の回答を軌道修正することも必要かと思います。